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紙管を使った建築が海外でも注目の的!  坂茂氏の画期的なアイディア

紙管を知っていますか? ラップフィルムや壁紙などの芯に使われている、固くて厚いボール紙でできた円柱状の管のことです。太くて強度の高いタイプの紙管は、建築にも利用することができます。今、日本の建築家のデザインによる「紙管建築」が海外で注目されているので、ご紹介しましょう。
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2016年2月28日更新 / DIY-navi編集部

「紙管を建築材」にという斬新な発想

「紙管建築」を手掛けているのは、建築家の坂茂(ばん しげる)氏。坂氏は1986年より、この紙管を建築資材として使えないかと実験を繰り返し、今日この材料を用いたさまざまなタイプの建物を設計するに至っています。

この建築法を編み出したきっかけは、ある展覧会の内装用の材料を探していた時に、別の展覧会で使用した反物の芯に目が留まったということ。再生紙で作られた紙の芯には、木に通ずる「温かみ」が感じられたそうです。そして、コストが安く加工もしやすいことから、建築の材料にできないかと実験を重ねるようになり、ついに建築材としての認可を得たのです。強度の面では木に劣りますが、構造でそこを補えないかと工夫を凝らしています。

現在、この紙管を用いて、文化施設、商業施設、集合住宅などさまざまなタイプの建物が建てられています。例えば、2011年2月に発生したカンタベリー地震により、ニュージーランドのクライストチャーチ大聖堂は深刻な被害を受けましたが、その後、紙管を用いた仮設のカテドラルが建てられました。今年の8月に完成しています。現地で調達可能な紙管とコンテナを用いて建てられた聖堂は、教会としての機能の他に、イベントやコンサートとしての使用も視野に入れられています。

「紙の聖堂」ですが、やわな感じはせず、圧巻です。デザイン的にもモダンでインパクトの大きいものとなっています。「紙」でこれだけのことができるとは…と、驚かれる方も多いことでしょう。

テンポラリーな目的に最適

ニュージーランドの「紙のカテドラル」以外にも、多くの仮設の建物が災害などの後に建てられています。この紙管を用いた建築は、材料費、建設費などを抑えることができ、しかもスピーディーに完成させることができるので、とくにテンポラリーな目的に最適なのです。

例えば、1995年の阪神大震災により焼失した教会のために、「紙の教会」がわずか5週間ほどで建てられました。紙とはいえ、かなり強度もあるため、その後10年ほど神戸の地で人々に利用されてきました。2005年には解体され、同じように震災の被害を受けた台湾に移築され、地域のコミュニティーセンターとして活用されています。

震災後、この「紙の教会」の建設を牧師さんに提案したとき、初めはその可能性を信じてもらえなかったそうです。そこで、小さな「紙の建物」を作っていって徐々にこのアイディアが突拍子もないものではないということを、伝えていったとのこと。結果的には10年もの間利用されるような強度の高い建物になりました。

東日本大震災発生時も、避難所におけるプライバシー保護を目的とした簡易な間仕切りのシステムが紙管とカーテンで作られました。坂氏は、その他にも国内外でテンポラリーな建築を数多く手がけています。

環境に優しいというメリットも

テンポラリーな目的で、建物を建設した後は、すぐに解体して建材を処分しなくてはならないこともあります。一時的に行われる展覧会用のパビリオンや競技場などを建設した場合です。「紙管」を建材として使用していると、解体が比較的容易なだけでなく、廃材が「紙」なので、環境に優しいという利点があります。

土に帰る素材なので、廃棄物による環境汚染の心配が少ないのです。また、解体時に要する電力などのエネルギーも、鉄筋などに比べ、少なくなります、したがって、近年注目される「サステナビリテイ」という点でも優れた建築法と言えるでしょう。

「紙」のメリットを最大限に生かしたこの画期的な建築手法にこれからも注目していきたいですね。



参照元:
How Cardboard Is Becoming A Sought-After Design Material
Buildings made from cardboard tubes: A gallery of Shigeru Ban architecture
SHIGERU BAN ARCHITECTS
朝日新聞グローブ (GLOBE)|Breakthrough -- 突破する力 坂 茂

Photo:Nick Johnson
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