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意外に知らない「箸」の話。日本の箸文化と伝統工芸

日本人は「箸に生まれ、箸に終わる」と言われます。生後100日目に、初めて赤ちゃんに食べ物を与える儀式「お食い初め」で箸を使い、亡くなって火葬された時に、箸で骨を拾う。
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2016年5月13日更新 / DIY-navi編集部

生まれてから死ぬまで、長くお世話になる箸について、私たちが知らないことが意外に多いようです。日本人の生活に密着した箸の歴史や文化、今もなお受け継がれる伝統工芸について、改めて学んでみましょう。

日本の箸文化

世界で箸を使う国というのは、一体どのくらいあるのでしょうか?
世界の中で、アフリカやインドなど手で物を食べる手食文化圏の国々は、全体の約44%です。欧米のようにナイフやフォークなどを使うカトラリー文化圏が約28%、残りの約28%が日本や中国、韓国、ベトナム、タイなどの箸食文化圏です。その中でも箸と匙のようなものをセットで使う国が多く、完全に箸のみを使うのは日本だけと言われています。また、自分専用の「マイ箸」を使うのも日本特有の習慣です。日本の箸文化は、世界でも珍しい独自の発展を遂げてきたのです。

箸の歴史

箸の起源についてははっきりしませんが、柳の枝を2つに折り曲げた「折箸」が最も古いものとされています。神事の際に、神に食物を取り分ける神器の1つだったとされ、今も奈良の正倉院に保管されています。

今使われているような2本に分かれた箸になったのは、聖徳太子の時代。遣隋使から中国の箸文化を伝え聞いた聖徳太子が、日本に本格的な箸制度を導入しました。この頃から食事に箸を使うようになったと言われています。以降、奈良、平安、鎌倉時代と、箸の使用は貴族だけのものから庶民へと普及していきます。江戸時代には割り箸、明治時代には塗り箸が広まり、箸文化はこの頃にほぼ今と同じ形に定着しました。戦後の高度成長期時代に、人口塗料の開発によって、安価でバラエティにとんだ箸づくりが一層盛んになり、今日まで広く普及しています。

伝統工芸としての箸

一般的に安価で普及している工業製品とは異なり、伝統工芸品である職人の手作業による漆塗りの箸も数多く存在しています。漆を塗ることで表面が滑らかになり、より堅牢になるという利点に加え、見た目の美しさも大きな特長です。漆塗り箸の日本有数の産地をご紹介しましょう。

若狭塗箸

日本の箸の約80%のシェアを占めると言われる名産地、福井県小浜市。ここには400年以上もの歴史を持つ若狭塗箸があります。江戸時代、小浜藩主がふるさとの美しい海底をイメージして生み出したのが始まりと言われます。あわび貝や卵殻、金銀箔を漆と一緒に何度も重ね塗りし、美しい模様を研ぎだして作られています。

津軽塗箸

青森県の津軽地方に伝わる津軽塗。漆を何回も重ね塗りすることで、より堅牢で触り心地のいい箸が完成します。江戸時代から伝わる技法を今も受け継ぎ、十数回の工程を繰り返しながら、2ヶ月以上の日数をかけて作られています。職人の手作業によって研ぎだされた模様は非常に美しく、実用性だけでなく、優美な外観も名高い銘品です。

木曽塗箸

長野県の木曽塗箸は、そのシンプルな仕上がりが特長です。同じ漆塗りでも透明感を出す技法を用い、素材である「木曽檜」の木目の美しさをそのまま生かす仕上がりになっています。軽くて持ちやすい、丈夫な木曽塗の箸は、木の温もりを感じる素朴な箸として、今も多くの人々に愛されています。

日々当たり前に使っている箸ですが、そこには日本独自の文化の継承が見て取れます。私たちも日本の箸文化の担い手の1人として、未来へ伝統を引き継ぐ使命があるようにも思えます。時には大事に受け継がれた伝統の箸を使うことで、いにしえの暮らしに思いを馳せてみるのも悪くないかもしれません。
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